「つなぐ」から「成立させる」へ
SparkLabo は、母数をつくる問題を解いた。次に解くべきは、組んだあとに売上が立つかという問題である。これは過去二度の方針転換とは質が違う ——「集め方」ではなく「売っているもの」を変える転換になる。
要旨
- 01樫根さんの問いは一貫している ——低CACで、健全で、再現性のある顧客獲得。デジタル名刺も SparkLabo も、その問いに対する手段の乗り換えだった。
- 02SparkLabo は会員180名に到達し、母数(接点)の問題は解けた。掲げている4プロセスのうち実装できているのは「接続」だけで、「構築」と「運用」は会員の自助努力に委ねられている。
- 03その結果、成果が出ているのは体感2〜3割。残りは接続されたまま止まる。これは会員の手腕の差ではなく、商品が接続で終わっている構造の帰結である。
- 04このままだと SparkLabo は、樫根さんが最初に否定した「つなぐだけのコミュニティ」に形を変えて近づく。測っている指標(接続数)が、売っているもの(出会い)を正当化してしまっている。
- 05提案は、提供価値を「出会い」から「初売上が立つまでの到達」へ置き換えること。接続後の伴走を商品化し、そこで溜まるデータを土台に、アライアンスコンサル事業と低CAC集客装置へ展開する。
- 06伴走はコストではない。成立率が上がれば会員の成果あたりCACが下がり、継続率と紹介が回り、SparkNow 自身のCACも下がる。CACを下げるための投資である。
これまで —— 一貫した問いと、二度の乗り換え
SparkNow の歴史は、事業の迷走ではない。同じ問いに対して、手段を二度乗り換えてきた歴史である。まずその問いを言語化しておきたい。ここが提案全体の基準になる。
変わっていない問い(北極星)
B2Bの売上拡大にはアポ獲得が要る。しかし営業代行も、人をつなぐだけのコミュニティも、顧客獲得単価が高く、信頼の裏打ちがない。ならば経営者同士が自分の人脈と相手の人脈を交換し合うことで、健全で意味のあるアポをつくれないか。
B2Bのセールス・マーケティング支援として出発。樫根CEO自身が30の経営者コミュニティに入り、20以上のアポ獲得サービスを試したうえで「有用な案件獲得チャネルがない」という結論に至っていた。
世の中の経営者情報を集める基盤として展開。経営者データが集まれば人脈の交換が成立し、健全なアポが生まれるという設計。狙いは正しいが、普及が想定に届かなかった。プロダクト単独では母数が立たない、という学習が残った。
第二の手段。プロダクトで集めるのをやめ、コミュニティという人力の器で母数をつくる方針に転換。健全なアライアンス関係をコミュニティ内で結ぶ、という現在の骨格がここで決まる。
アライアンスを成立させるにはまず母数が必要だったため、入口の訴求は「アポが創出できる」に置き、人を集めながら徐々にアライアンスのコミュニティへと性格を変えていった。意図された移行であり、現在も入口と中身にはこの時期の名残がある。
リアル会・交流会が定例化。約20の経営者コミュニティとの提携、デジタル名刺の資産も併走させながら、会員基盤が積み上がる。
各クライアントに経営者コンサルタントが付き、アライアンス先を紹介する体制が稼働。毎週のコンサル定例、個別定例、共催施策の検討が回っている。器はできた。ここから何を提供するかが、今の論点である。
この歴史から読み取るべきこと
デジタル名刺から SparkLabo への転換も、アポ訴求からアライアンス訴求への移行も、どちらも「母数の作り方」の転換だった。プロダクトで集めるか、コミュニティで集めるか。アポで釣るか、アライアンスで惹くか。論点は常に入口にあった。
そして入口の問題は、180名という形で解けている。だから次の転換が同じ種類であるはずがない。
論点の提起
今回必要なのは「集め方」の転換ではなく「売っているものの転換」である。過去二度より難しく、過去二度より効く。これまでの転換は集客設計の変更で済んだが、今回は商品・課金・オペレーション・コンサルタントの役割が同時に動く。だからこそ、樫根さんが描く「あるべき姿」を改めて置き直すタイミングだと考えている。
現状の診断 —— 母数は解けた。成立は解けていない
現状、コンサルタントは各クライアントについてアライアンス先を紹介している。しかし実情は「組めそうなところをつなげるだけつなげて、そこから先はクライアントの手腕に頼る」という形になっている。結果、成果が出ているクライアントと出ていないクライアントの乖離が大きく、うまくいっているのは体感で2〜3割である。
説明資料の4プロセスと、実装されているものの差
SparkLabo は「設計する → 接続する → 構築する → 運用する」の4プロセスを掲げている。この枠組み自体は正しい。問題は、実装が2番目で止まっていることである。
事業ヒアリングは行っている。ただし協業モデルそのものの設計(どう組めば双方が動くか)までは落ちきらず、相性の良さの判断で止まりやすい。会員プロフィールの入力不足が、ここの精度を直接削っている。
ここは強い。180名の母集団と経営者であるコンサルタント陣によって、相性のよい相手に高い信頼つきで会える。SparkLabo が現在、実質的に販売している商品はこれ一つである。
協業案の具体化、条件調整、役割分担、初回施策の立ち上げ —— つまり「組む」こと自体は、会員2社に委ねられている。ここを越えられるかどうかが2〜3割と7〜8割を分けている。
進捗管理、定例フォロー、KPIモニタリング、改善提案。構築に届いていない以上、ここはほぼ存在しない。成果が出た会員も、その理由が記録されていないため再現できない。
三つの診断
診断1 ── 2〜3割は、SparkLabo の付加価値ではない可能性が高い
接続だけを提供して成果が出る会員は、もともとアライアンスを自走できる会員である。アライアンスの経験があり、推進する体力があり、商材が組みやすい。つまり成否を決めているのは SparkLabo 側の変数ではなく、会員側の変数だ。
これを認めると結論は厳しい。現状 SparkLabo が純粋に生んでいる価値は「接点の提供」までであり、成立は会員の資質に依存している。2〜3割という数字は成功率ではなく、自走できる会員の比率を測っているにすぎない。
診断2 ── 否定したはずの相手に、形を変えて近づいている
樫根さんが出発点で否定したのは「人をつなぐだけ、アポを獲るだけでCACが高い」モデルだった。接続までを商品とし、その先を会員任せにしている現状は、構造としてそれと同じ形をしている。信頼の質と相手の精度が高いぶん上位互換ではあるが、提供範囲の線引きは同じ場所にある。
これは批判ではなく、最も強い論拠だと考えている。転換の根拠を外から持ってくる必要がない。創業時の問いに忠実であろうとすれば、接続の先に進むしかない。
診断3 ── 測っている指標が、現状を正当化してしまっている
接続数で成果を測ると、接続までを商品とする設計は常に健全に見える。一方「成立」で測った瞬間、同じ事業が2〜3割に落ちる。CACも同じ構造である。
| 見る単位 | 現状の評価 | 何を意味するか |
|---|---|---|
| 接続あたりCAC | 低い | 経営者同士の紹介なので接点獲得は安く、信頼も付いてくる。ここは本当に強い。 |
| 成立あたりCAC | 低くない | 成立率が2〜3割なら、1件の売上に必要な接続数は3〜5回。会員から見た実質CACは接続単価の3〜5倍になる。 |
現場はすでに正しい方向へ動き始めている
この提案は、現場の認識を覆すものではない。直近の定例で挙がっている論点は、ほぼすべて同じ断層を指している。足りないのは気づきではなく、事業構造としての決定である。
| 現場で出ている論点 | それが指している断層 |
|---|---|
| 接続数ではなくアライアンス成立で評価する/丸三角×の判定を自動化する | 評価軸を接続から成立へ移す動き。本提案の前提そのもの。 |
| 施策が未定の会員が約7割。初回から共催案を示して誘導する | 入会後の道筋が設計されていない。カスタマージャーニーの空白。 |
| 双方10名規模の共催勉強会を初期施策として型化する | 「組む」の最初の一手を商品側が用意する試み。構築フェーズへの踏み込み。 |
| 紹介状況の一覧がない/AIによるパートナー推薦・紹介理由生成・紹介キットを整備したい | 成立プロセスを管理する器がない。属人化の直接原因。 |
| 会員プロフィールの情報が不足し、相性の判別が難しい | 設計フェーズの精度が入力依存。データ基盤の不在。 |
| 高額プランの営業が苦戦(決裁者不在・意思決定の遅れ) | 「出会い」は投資判断になりにくい。提供価値の問題。 |
| 実稼働ベース・0.5時間単位での請求設計を検討 | 伴走の工数を測る準備。本提案の実装に直結する。 |
| 10〜11月に事例インタビューを集中、売上・提携事例リストを作成 | 成功の言語化。伴走の型をつくる原材料。 |
| コンサルタント教育・役割分担・特別定例の記録化 | 属人性の緩和。型がないまま教育しようとしている状態。 |
あるべき姿(仮説)—— 成果まで連れていく事業
以下は折髙の仮説である。確定案として出すものではなく、樫根さんの「あるべき姿」を置き直すための対案として読んでいただきたい。
まず、提供価値を置き換える
| 現在 | あるべき姿 | |
|---|---|---|
| 売っているもの | 相性の良いアライアンス先に出会える場 | アライアンスから初売上が立つところまでの到達 |
| 責任の終点 | 接続した時点 | 2社間で最初の売上が立った時点 |
| コンサルタントの役割 | キューピッド(出会わせる) | プロデューサー(組ませて、売れるまで回す) |
| 中心KPI | 接続数 | 成立率 / 初売上までの日数 |
| 会員が払う理由 | 良い出会いがあるから | 投資判断ができるから(成果に紐づく) |
伴走を、気合いではなく型にする
折髙の仮説の中核はここにある。つなぐところまでは今まで通りコンサルタントが行う。そこから先、売上が立つまでコンサルタントが2社の間に入り続ける。
| # | やること | 担い手 | 目安工数 | これがないと起きること |
|---|---|---|---|---|
| 0 | 接続前に協業モデルの仮説を置く(どう組めば双方が動くか・相手側のメリット) | コンサルタント | 20分 | 名刺交換で終わる |
| 1 | 初回MTGに同席し、論点を2社の共通言語に翻訳する | コンサルタント | 45分 | 互いに遠慮して何も決まらない |
| 2 | その場で次回日程を確定させる(解散前に必ず) | コンサルタント | 同席内 | 「追ってご連絡」で消滅する |
| 3 | ネクストアクションを誰が・何を・いつまでに、まで明文化して両社に送る | コンサル+システム | 15分 | 双方が相手の動きを待つ |
| 4 | 次回MTGの前に両社へリマインドし、宿題の状況を確認する | システム(自動) | 5分 | 手ぶらで集まり、同じ話を繰り返す |
| 5 | 次回も同席し、1〜4を売上が立つまで反復する | コンサルタント | 45分/回 | 熱が冷めて自然消滅する |
| 6 | 成立・不成立の理由を記録する(成立/停滞/解散の分岐と原因) | コンサル+システム | 10分 | 何度やっても型が育たない |
重要な設計判断
伴走は全接続に等しく付けない。接続の数を増やしながら伴走を足すと工数が破綻する。接続を絞って伴走を厚くするのが正しい方向である。成立率が上がれば、同じ売上に必要な接続数は減る。「たくさんつなぐ」から「組める組み合わせを選んで、売れるまで面倒を見る」への転換を含んでいる。
事業構造 —— 四層で組む
L2 で溜まった型と事例を、SparkLabo 会員以外にも売る。アライアンス戦略の設計、パートナー開拓、協業オペレーションの構築。会員向け伴走からのアップセルが入口になり、やがて独立した事業になる。SparkLabo を顧客獲得チャネルとして持つコンサル事業という構えは、他社が簡単に真似できない。
接続後、初売上が立つまでコンサルタントが2社間に入る。上記の標準手順を商品として販売する。ここが今回の提案の本体であり、断層を埋める唯一の層。会費に含めるか、オプションか、成果連動かは設計次第(下表)。
会員180名の母集団と、経営者同士の信頼。約20の提携コミュニティ。ここは維持・強化する。ただし役割を再定義する ——成果を生む場ではなく、成果を生むための需給プールと信頼の担保。コミュニティ単体で成果まで持っていこうとするのをやめる。
誰と誰を、なぜ組ませ、何回の打合せで、どこで詰まり、成立したか/しなかったか。全記録。これがないと L2 は属人芸のまま、L3 は売り物にならない。デジタル名刺で「経営者データを集める」という発想は間違っていなかった。集めるべきデータが名刺情報ではなく、成立データだったと理解している。
カスタマージャーニーを置き直す
「どこで何を提供し、何を測るか」を段ごとに決める。現状の空白が、そのまま離脱点になっている。
| 入会前 | 入会直後 | 初接続 | 構築 | 初売上 | 継続・拡大 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 現状 | アライアンスで案件が増えると訴求 | プロフィール登録と定例の設定。施策は未定のまま進む(約7割) | コンサルタントが相性の良い相手を紹介 | — 会員任せ | — 把握できていない | 更新の打診。成果が出ていない会員は理由を説明できない |
| あるべき | 成立事例と成立率で訴求(投資判断の材料を出す) | 初回に協業モデルの仮説と初期施策を一つ決める(共催勉強会など) | 協業モデルの仮説を持った状態でつなぐ | 伴走(同席・NA明文化・リマインド・反復) | 成立を定義し、記録し、事例化する | 成立実績をもとに更新/L3へアップセル/成功会員が次の会員を連れてくる |
| 測る | 申込率・獲得単価 | 初期施策の決定率 | 接続数・接続の質(丸三角×) | 構築到達率・打合せ継続率 | 成立率・初売上までの日数 | 継続率・L3転換率・会員紹介率 |
なぜ伴走がCACを下げるのか —— 三つの経路
伴走は工数を増やす。それでもCACを下げる投資だと考える理由を三つ挙げる。樫根さんの北極星との接続点はここにある。
| 経路 | 仕組み | 効き方 |
|---|---|---|
| 会員の成果単価 | 成立率が2〜3割から5〜6割になれば、1件の売上に必要な接続数が半分以下になる | 会員から見た成果あたりCACが半減する。これがそのまま継続理由と値上げ余地になる |
| SparkNow の集客 | 成果が出た会員は継続し、人を連れてくる。成果が出ない会員は紹介しない | 会員紹介が最大の集客チャネルになる。広告・メルマガ・イベント集客に頼る必要が減る |
| 共催勉強会の転用 | 組んだ2社に、最初の一手として共催勉強会をやってもらう。A社が自社の顧客10名、B社が10名を招き、1つの場に20名の経営者が集まる | その20名が、そのまま SparkLabo の見込み客になる。集客の労力は会員2社が負うため、SparkNow 側のCACは運営工数だけになる。この仕組みは次の節で詳述する |
低CAC新規事業の種(折髙案)
北極星である「限りなく低いCAC」に向けた新規事業は、L0 のデータから導くのが筋が通る。優先順に四つ。
| # | 案 | CAC構造 | 前提になるもの |
|---|---|---|---|
| A | 共催勉強会をキットにして売る(組んだ2社の「最初の一手」を、SparkLabo が丸ごと用意する) | 集客は会員2社が自分の顧客に声をかけて行う。SparkNow のCACは運営工数だけ | 進行台本・招待文・申込ページ・運営代行の一式。すでに検討中なので着手が最も早い |
| B | 成果ベースの会員獲得(成立した会員の紹介経由に集客を寄せる) | 紹介経由CACは広告の数分の一。信頼も付いてくる | 成立実績と、それを語れる事例 |
| C | アライアンス適合データの外販(誰と誰が組むと売れるかの実データをSaaS/APIで) | 自社の成果データが営業資料そのものになる | L0 の蓄積量。中期(1年以上) |
| D | 成立保証型プラン(売上が立つまで課金しない) | CACは上がるがLTV/CACで勝つ。営業の説明が最も簡単になる | 成立率が読めること。成立率が上がってからでないと成立しない商品 |
案Aを具体的に —— 共催勉強会を「最初の一手」のキットにする
いま SparkLabo で起きていることは、組んだあと、何から始めればいいか分からないという状態である。だから施策が未定の会員が約7割になる。ならば最初の一手を SparkLabo 側が決め打ちで用意してしまう——それが案Aである。
用意するものは、2社で一緒に勉強会を開くための一式。会員は内容を考えなくてよく、「自分の顧客を10名呼ぶ」ことだけやる。
SparkLabo のコンサルタントが、相性のよい A社と B社をつなぐ(ここまでは現在と同じ)
最初の一手は「共催勉強会」に決め打ちする。SparkLabo がキット(進行台本・招待文・申込ページ・運営チェックリスト)を渡す
A社は自社の顧客・見込み客を10名招く。B社も自社から10名招く。招待状は「取引先からのお誘い」なので、断られにくい
当日、経営者20名が1つの場に集まる。進行と運営は SparkLabo 側が行う(会員は登壇に集中できる)
A社は B社の顧客10名に、B社は A社の顧客10名に、信頼つきで会える。これが説明資料の言う「二次人脈の活用」が実際に起きている状態
同時に、その20名全員が SparkLabo の見込み客になる。主催側に SparkLabo が入っているため、自然に接点ができる。広告費はゼロ
終了後、アンケートとフォロー導線(商談化・入会案内)をキットの手順どおりに回す。次回の共催日程もその場で決める
一度の開催で、三者が同時に得をする
組んだあと何をするか迷わない。相手の顧客10名に、紹介つきで会える。自力でセミナーを企画するより圧倒的に軽く、相手と一緒に動くので熱が冷めない。
1回ごとに経営者20名が見込み客として入ってくる。しかも集客したのは会員自身で、全員が「信頼する相手に誘われて来た人」。これが最も低いCACになる理由。
「次回までに誰を何人呼ぶか」が宿題として確定するので、2社の打合せが空転しない。伴走の最初の1〜2回が、この一手だけで埋まる。
「商品化」として具体的に作るもの
- 開催フォーマット90分の進行台本(導入・2社の登壇・参加者同士の交流・クロージング)。毎回ゼロから考えない
- 招待文テンプレート会員が自分の顧客に送る文面。メール/LINE/DM用。差し替え箇所だけ埋める
- 申込ページ共通フォーマットの申込フォーム。参加者情報がそのまま SparkLabo 側に蓄積される
- 当日の運営会場・配信・受付・司会を SparkNow 側で引き受ける。会員は中身だけ考える
- フォロー導線終了後のアンケート、商談化の打診、SparkLabo の入会案内までの手順と文面
- 記録の型参加者数・商談化数・成約数を毎回同じ形で残す(L0 データ基盤に直結する)
課金の考え方
キットと運営代行は伴走プランに含めるか、1回あたりの運営費として別課金のいずれか。前者のほうが伴走の価値が伝わりやすく、後者のほうが単発でも売れる。折髙としては、1回目は伴走プランに含めて体験させ、2回目以降を運営費課金にする形を推したい——会員が「もう一度やりたい」と言った時点で、それは効いた証拠になる。
なお、この共催勉強会は大阪・福岡の展開にもそのまま乗る。現地の会員2社に同じキットを渡せば、現地の経営者20名が集まる。SparkNow 側が現地で集客する必要がない。現在オンライン申込が少ないという課題は、会員の人脈を使っていないから起きていると見ている。
想定される反論と、現時点の答え
提案の弱点は先に出しておく。以下は折髙自身が最初に潰しにかかった論点で、答えきれていないものはそう書いている。
最も重い反論で、ここが成否を決める。答えは三つの組み合わせ。(1)全接続に伴走を付けない——成立見込みでトリアージし、接続数を絞って伴走を厚くする。無駄な接続が減るぶん、総工数は増えない可能性もある。(2)型にして短くする——同席45分+前日リマインドで1組あたり月1〜1.5時間に収める。(3)管理をシステムに寄せる——リマインド、ネクストアクションの記録、進捗一覧は人がやらない。これは定例で出ている紹介キット・AI推薦・Notion連携の延長線上にある。それでも足りなければ、伴走を担う役割を経営者コンサルタントから分離する(下の論点に続く)。
経営者である価値が効くのは設計と初回の接続——事業の文脈を読み、相手側のメリットまで踏み込んで組み方を考えるところ。一方、進行管理・日程確定・リマインド・議事は経営者である必要がない。「設計と同席は経営者コンサルタント、進行管理は専任+システム」という分業なら強みは薄まらず、むしろ経営者の時間を一番効く場所に集中できる。定例で出ている役割分担の議論と同じ論点だと理解している。
合わない。伴走は会費に含めず、別建てにするのが前提。選択肢は(a)伴走プランとしての月額オプション、(b)成立時の成果報酬、(c)両者の併用。SparkNow には成果報酬の実務実績がある(2025年9月、成約1件につき10万円の支払い実績)ので、課金形態として不自然ではない。実稼働を0.5時間単位で測る請求設計の検討が定例で始まっているのは、この方向と整合している。ただし具体的な価格設計は、現在の会費・高額プランの金額と原価が分からないと置けない(V章の確認事項)。
入るのは進行管理とファシリテーションであり、商取引の当事者にはならない。契約は2社間で結ばれ、SparkNow は売買に介在しない。成果連動課金を入れる場合は「成立の定義」を事前に文書で合意する必要がある(初回受発注の成立か、入金か、一定額以上か)。この定義づけは先に片付けるべき宿題で、曖昧なまま成果報酬を設計すると必ず揉める。
成立率が上がれば、必要な母数は下がる。成立率2〜3割のまま会員を倍にしても、成立しない接続が倍になるだけで、コンサルタントの工数と会員の不満が先に限界を迎える。同じ投資なら、母数拡大より成立率改善のROIが高いと見ている。加えて、成立率が上がって初めて会員紹介が回り、母数拡大が自走する(III章の経路2)。順序は「成立率 → 母数」。
確かめていない。これは本提案の最大の弱点である。だからV章の最初の打ち手を「180名の棚卸し」に置いている。もし実測が5割を超えていれば診断の前提が変わり、提案の優先順位も変わる。逆に2割を下回っていれば、転換の緊急度は本資料より高い。まず測ることを、提案の第一歩としたい。
今やるべきこと
本資料の目的は、施策の承認を得ることではない。「あるべき姿を置き直すタイミングである」という認識を共有し、そのための論点を定義することにある。まず決めるべきは次の三つで、ここが決まらないと下流は全部仮置きになる。
クライアントへの提供価値をどこに置くか
「相性の良い相手に出会える場」か、「初売上が立つまで連れていく仕組み」か。あるいは第三の答えか。ここが全部の親になる——課金、コンサルタントの役割、KPI、採用、システム投資、すべてこの一行から決まる。折髙の答えは後者だが、樫根さんの答えを先に聞きたい。
カスタマージャーニーをどう置くか
入会前・入会直後・初接続・構築・初売上・継続拡大の各段で、何を提供し、何を測り、誰が担うか。現状は「入会直後」と「構築」が空白で、そこが離脱点になっている。施策が未定の会員が約7割という事実は、ジャーニー設計の不在がそのまま数字に出たものと見ている。
できていること/できていないことを確定させる
4プロセス(設計・接続・構築・運用)×ジャーニー各段のマトリクスを、丸三角×で埋める。本資料のII章は折髙の見立てにすぎないので、樫根さんとコンサルタント陣で一度埋め直すべき。ここで認識が揃えば、投資すべき場所は自然に一つに絞られる。
90日の進め方(案)
| 期間 | やること | 出るもの | 判断材料になる数字 |
|---|---|---|---|
| 〜2週 | 180名の棚卸し。成果が出た会員/出ていない会員に分類し、出た会員に何があったのかを聞き取る。成立までの打合せ回数・日数・コンサルタントの介在度を測る | 実測の成立率。成功パターンの原材料 | 成立率、成立までの打合せ回数・日数 |
| 〜30日 | 上記3問の合意。伴走の型を1本に落とし、5〜10組でパイロット。11月の契約更新に向けた説明材料としても使う | 伴走手順書。パイロットの初期結果 | 構築到達率、1組あたり実工数 |
| 〜60日 | 型をシステムに載せる —— 紹介状況一覧、ネクストアクション管理、自動リマインド、成立記録。既に進行中のNotion×商談データ連携をこの要件に合わせる | 伴走を回せる最小限の器。L0の記録開始 | 記録率、コンサル工数の削減幅 |
| 〜90日 | 料金体系の再設計(会費/伴走/成果連動)。L3アライアンスコンサルの商品定義。共催勉強会のキットを作り、1〜2組で実際に開催する | 新しい商品構成と価格。新規事業の初期設計 | 成立率の変化、LTV/CAC、共催経由の見込み客数 |
埋めるべき数字(折髙側で未把握)
以下が分かると、本資料の仮説は具体的な事業計画に落とせる。逆にここが空いている限り、価格設計とユニットエコノミクスは仮置きにとどまる。
- 会費・高額プランの価格と、プラン別の会員数構成(180名の内訳)
- 会員1名あたりの原価(コンサルタント費・運営・イベント・システム)
- 現在の継続率/解約率、更新のタイミング分布(11月満期がどれだけあるか)
- 「成立」の定義——初回受発注か、入金か、一定額以上か。成果連動課金の前提になる
- コンサルタントの人数と、1人あたりの担当会員数・月稼働時間
- 会員獲得の現在のチャネル構成とCAC(イベント/紹介/広告/メルマガ)
- デジタル名刺の現在の稼働状況と、SparkLabo との接続の実態
- SparkLabo 立ち上げの正確な時期と、アポ訴求からアライアンス訴求へ切り替えた時期